フィリピン留学でTOEICのスコアが上がったという体験談をよく聞きますが・・・
皆さんはフィリピン留学というものをご存知でしょうか?
昔は語学留学と言えばアメリカ、イギリス、オーストラリアなどネイティブ圏に行くのが普通でした。
英語を勉強するのですから、当然ネイティブ圏で生活しながら、ネイティブの講師から教えてもらうのがいいと思いますよね?
アメリカ人が日本語の勉強のために中国に行って中国人講師から学ぶ、と聞いたらすごく違和感を持ちますよね?
しかし近年ではフィリピン留学が人気になってきています。
実際にフィリピン留学をした人たちの評判も良く、「フィリピン留学に行ったおかげでTOEICのスコアが300点から800点に上がりました」といった、まるでこのブログのタイトルような感想を語っている方もいます。
フィリピン留学でのTOEIC対策は、そのメリットを台無しにする
フィリピン留学について今回はあまり詳しくは書きませんが、ネイティブ圏ではなくあえてフィリピンを選ぶメリットは次の3点です。
①コストが安い
②1週間からの短期留学が可能
③マンツーマン授業である
このうち「③マンツーマン授業である」ことは、特に英会話力の向上に効果があります。
マンツーマンであるため自分のレベルに合った授業が行われます。そして、生徒が1人であるため、否が応でも発言しなければならない状況になります。この強制的に英会話をする機会が与えられる割合が高いことが、欧米圏の留学にも負けないフィリピン留学の強みです。
しかし、多くのフィリピンの語学学校ではTOEIC対策コースが準備されており、多くの生徒がTOEIC対策コースを受講し、スコアアップを目的とする留学を行っています。
たしかに、TOEICのスコアは自分の英語力を評価する材料としてわかりやすいため、留学の成果を客観的に判断することができます。
TOEICを指標とすることで多くの人が、フィリピン留学は成功だったと実感できる思いますし、その成果について偽りだと否定するつもりはありません。
スコアが300点から800点まで上がった人は確実に英語力は向上しているのです。
しかし、せっかく英会話を実践できる場が豊富に提供される環境にあって、なぜ黙々とTOEIC対策のテキストを解かなければならないのでしょうか?
実は私もセブ留学経験者です
実は私もTOEICで980点を取得後にセブ留学に行っています。
期間は3か月とセブ留学をする人の中では長いほうでした。
目的は英会話力を身につけることでしたが、スピーキングのクラスだけではなく文法、ライティング、発音など様々な授業が用意されていたため、とりあえず一通り受講することにしました。
ちなみに気に入らない授業(先生もw)があればすぐにカリキュラムを変更できるのもフィリピン留学のメリットです。
その中にTOEICリスニングの授業もありました。内容は例えば、
模擬試験のPART3を解く (バロンズというテキストでしたが、これがまたひどい。。)
↓
答え合わせをする
↓
間違えた問題文を先生がもう1度読み上げる
↓
先生が問題文のここにこう書いてるから正解はこれ、と解説してくれる
という感じでした。
1日目(50分授業)はこれで終わり、2日目はPART4を同様にやる、という内容でした。
いや、家でCD使ってできる内容じゃんw
そもそもTOEICのリスニングなんてスクリプトと訳を見れば誰でも解けます。わざわざ人に解説してもらう内容ではないのです。
そしてPART3を1回解いて答え合わせをしただけの勉強量で50分費やしています。解いて答え合わせするだけでは勉強として不十分なのに50分は効率が悪すぎます。
1番の問題は聞いている時間が非常に多く、自分から発言する機会が極端に減るため、フィリピン留学に来ているメリットがなくなっていることです。
もちろん私はTOEIC対策で留学に行ったわけではないのですぐにカリキュラムを変更しました。
ちなみに先生に言わせるとTOEICの授業はほとんど準備する必要がないため、非常に楽なんだそうです。
特にリーディングの場合、1日目は問題を解かせて終わることが多いらしく、ずっと携帯をいじっていられるようです。。
TOEICでスコアを取ってからフィリピン留学に行きましょう
私が行った学校ではこのようなTOEIC対策コースを、企業から派遣されてきた生徒が朝から晩まで受講していました。
そんじょそこらの企業ではなく経団連の会長を輩出するようなビッグな企業です。(先生たちからはVIPと呼ばれていました)
まぁ人事担当者としては留学でTOEICの点が上がったと示せることが重要なので、これはこれでいいのかもしれません。
でも、皆さんは純粋にTOEICの点数を上げたいのでしょうから、日本で公式問題集でしっかり対策を行いましょう。
何度も言いますが、TOEICは問題自体は難しい試験ではないので、1人で勉強したほうが効率がいいです。
高いお金を出して留学に行くのなら、そこでしかできないことをしましょう。
フィリピン留学の場合は英会話の実践です。
TOEICの対策でインプット的な勉強をしっかり完成させてから、フィリピン留学でアウトプットを習得することが、英語力向上に効果的だと私は考えています。
コメント
始めまして。
再就職の為にTOEIC400→800点を目指しています。
昔から一人で勉強するのが苦手でセブで留学して勉強しましたが中高の文法から始めたので400点までしか伸びず帰国し、再度勉強方法を検討してます。留学自体は英語学習以外も文化を知ったり、フィリピン人先生で素晴らしい先生〔文法や発音〕に数名出会えたので大満足してます。また、TOEICのスコアが伸びた生徒さんもいたので学校選びも間違えでは無かったと思っておりますが、自分にあった勉強方法を見直してます。
webでのびたさんの話を拝見して、自力でやる事とフィリピンでやる事を区別して考える必要を感じました。
再度渡航も検討してますが、自力部分のご相談をさせて頂けませんか。よろしくお願いします。
いできよさん
コメントありがとうございます。
私が通った語学学校は「TOEICコース」を売りにした学校ではありませんでした。そのためフィリピン留学でTOEICの勉強をすることに否定的でしたが、中にはTOEIC対策が充実した学校もあると思うので、全ての学校をひとまとめにして否定するべきではなかったかもしれませんね。
さて、目標スコアが800点ということですが、実は「100日でTOEIC800点を取るための勉強スケジュール」というピッタリな記事がありますw
ただ、TOEIC400点ぐらいのレベルだとこのスケジュール通りにこなすことが難しいかもしれません。
難しくする最大の理由は単語力不足です。どんな勉強法、どんな参考書を用いても単語をおろそかにしていると効果が出にくいものです。
また、単語は「自分で暗記」して勉強するしかないため、再留学の前に是非マスターしておくべきです。
単語の勉強方法は「TOEICに必要な単語は「金のフレーズ」1冊でほぼ網羅できる」で紹介していますが、ポイントは1日で単語を覚えるのではなく1週間ぐらい同じ単語に触れて覚えることです。
また、「一人で勉強するのが苦手」ということですが、自分も独学というものが苦手でした。そのため「100日でTOEIC800点を取るための勉強スケジュール」で紹介しているような公式問題集を使った勉強が非常に苦痛でした。これを解消するためにフィリピン留学を使うのも一つの手ですが、もう1つ、アプリを利用するという方法があります。
「超初心者のTOEIC対策はアプリから!スタディサプリENGLISHの利点」で紹介していますがスタディサプリEnglishにはプロの講師による解説動画がついています。TOEICの勉強方法や問題のパターン、それに対する解法などを、関先生というTOEICの専門家が説明してくれます。テレビでおなじみの林先生のようなわかりやすい解説です。一人でテキストの解説を読むよりもはるかに理解しやすいですし、ちょうど私のブログの内容と似ているところもあるので、この解説動画を見てから私のブログを読むと理解が深まるかもしれませんw
デメリットは月額3000円と安くないことですが、7日間の無料体験がついています。いできよさんは再就職を目指すということで比較的時間があるのではないかと思いますので、無料の7日間で解説動画だけを見まくるというのもいいと思います。
それにしても再留学できるのなら羨ましいですね。陽気なフィリピン人との生活もそうですが、発展著しいその活気を肌で感じられたのが私にはとても刺激的でした。できればもう1度先生にも会いに行きたいです。