リスニングの勉強方法として「ディクテーション」という方法が推奨されることがあります。
ディクテーションとは、英語で流れてくる音声を一字一句、正確に「書き取る」勉強法です。
「書き取れなかったところ=聞き取れなかった音声」なので、自分がどの音声が聞き取れなくてリスニングが上手くいかないのかを明確にすることができます。
つまり、ディクテーションは弱点克服のためのトレーニングなのです。
これだけ聞くと「リスニング苦手だからディクテーションやってみよう」と思うかもしれませんが、実はTOEICではリスニングが苦手な人ほどディクテーションをやってはいけません。
その理由を紹介します。
ディクテーションのデメリット
書き取るのに時間がかかる
ディクテーションでは音声を全て書き取れるようになるまで何回も繰り返し同じ題材を聞くことになります。
試しに適当な音源でやってみてください。PART1のような1文で終わるものではなく、PART4ぐらいのボリュームのものをやってみるとその難しさを実感すると思います。
純粋に全ての音を聞き取るのも難しいです。しかしそれ以上に、流れてくる音声のスピードに書くスピードが追い付かない難しさを感じると思います。
それもそのはず、書くより読むほうが断然速いですから。そういう意味で日本語のニュースをディクテーションをするのだって難しいですよ。
聞き取れないのではなく、書く時間がなくてなかなか進まないのでは何の勉強をしているのかよくわからなくなってきますね。
そんな調子でやると、PART4ぐらいの文章を1つ終えるのに1時間近くかかってしまいます。
書くことはすごく時間がかかる作業です。私は単語の学習も書いて覚えるのではなく、読んで覚えることをおすすめしています。
※参考 「TOEICに必要な単語は「金のフレーズ」1冊でほぼ網羅できる」
精神的に辛くて挫折しやすい
時間がかかるということにもつながりますが、ディクテーションはとても負担が大きいです。
一字一句、正確に書き取るために常に集中力を全開にしなければなりません。
そして、全てを書き取るため何回も何回も同じ音声を聞くのですが、どうしても何と言ってるかわからないところが出てきます。何回も同じ音声を聞いているのに聞き取れない、、それが1時間・・・。心が折れますよw
最終的には聞き取れないところは諦めてスクリプトを見ることになりますが、ディクテーションは負担が大きな勉強法であり、勉強が嫌になってしまいます。
1日にPART4の1題ぐらいしか進まないのでは成長の実感がなくて挫折しやすいです。
TOEICのリスニングは一字一句聞き取れる必要はない
TOEICのリスニング試験には空欄を補充させるような穴埋め問題はありません。
多くの問題は、話の流れが理解できれば解ける問題になっています。
つまり、一字一句を聞き取る必要はなく、何となく単語をつなげていって大体の意味が理解できれば正解を選べるのです。
私はリスニングで満点を取っていますが、そんな私だってナレーションを一字一句聞き取れませんし、もっと言えば全ての文章の意味を正確に理解できているわけでもありません。
TOEICはあくまでも設問に答えられればいい試験だということを再認識しましょう。
ディクテーションではなく音読(リピーティング)、シャドーイングをやろう
ディクテーションは完璧主義者の勉強法です。
できないよりできたほうがいいのは当然ですが、あまりにも時間がかかり効率が悪いです。負担も大きく挫折しやすいため、特にリスニングが苦手な人はディクテーションをするべきではありません。
私はディクテーションの代わりに音読(リピーティング)とシャドーイングをおすすめします。
特にシャドーイングは「書き取らない」ディクテーションのようなものですが、ディクテーションよりも時間が短縮でき、ディクテーションと同様、自分が聞き取れない音声が何か認識することができます。
シャドーイングもナレーションと一字一句同じように繰り返すように読むのが一般的な方法ですが、前述したとおりTOEICでは一字一句正確に聞き取る必要がないので、私がおすすめするシャドーイングは7割聞き取れればいいという方法です。
詳しくは「~苦手を克服するシャドウイング~ TOEIC PART3の勉強法」をご覧ください。
まとめ
- ディクテーションは効率が悪く、勉強の負担も大きい
- やるならディクテーションではなくシャドーイング
- ディクテーションはTOEIC満点狙いの暇人が趣味でやっとけ
※追記
上記のようにディクテーションは時間はかかるし負担も大きいのでやる必要はないと思っていましたが、そのデメリットはアプリで解消できることが分かりました。
特にパート1, 2はアプリを使ったディクテーションでの勉強もおすすめします。
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